日本ベトナム友好協会大阪府連合会

8.ベトナム人はシンチャオとあいさつするか?

 重たい話題が続きましたので、今回はちょっと方向を変えましょう。ベトナム語を勉強中の方はしっかり読んでください。

 ベトナム好きの集まりとかベトナム・ツアーの名前など、「シンチャオ」というあいさつ言葉がかなり普及してきましたね。初対面でも親しい間柄でも、朝でも昼でも夜でも使える、おまけに会ったときも別れるときも使える万能のあいさつ語というわけです。ベトナム人でも、外国人とくに日本人と会ったときには、相手にあわせてシンチャオという人をよく見ます。

080103-10ConGai.jpg でも、今度ベトナムに行ったら、ベトナム人同士でシンチャオと言っているかどうか、観察してみてください。まず言ってないと思います。2つ問題があります。

 第一は、チャオcha`oという言葉(おもな意味は「あいさつする」という動詞)は、とてもかしこまった表現で、「謹啓・・・敬具」といった手紙の決まり文句とか、アナウンサーや店員が視聴者やお客によびかける場合、目上の偉い人やずっと年上の人へのあいさつなどに使うものです。初対面の相手との会話で、ていねい語のシンもつけて使うと「ご尊顔を拝謁する栄に属し恐悦至極にござります」てな感じになってしまうのです。親しいベトナム人同士ではこんな堅苦しいあいさつはせずに、大阪人の「飯食ったか」のようなことばをかわすだけだし、初対面の相手ならVui mung duoc gap anhとか少しかしこまってHahn hanh duoc gap anhなどといいます(どちらも「お会いできてうれしいです」の意味)。

 もうひとつ。ベトナム語は、相手の年齢、性別、自分との年齢差や親しさの程度などによってアイン、チ、エム、オン、バーなどの相手を呼ぶ単語を使い分けますね。あれは代名詞として主語や目的語に使うだけでなくて、あいさつや問いかけなどいろいろな文章の最後につけて親しみやていねいさをあらわすのです(呼称詞)。「チャオ」「シンチャオ」にも後ろにそういうことばがないとベトナム語にならないのです。

 みなさんも、相手が若い男性ならチャオアイン、若い女性ならチャオチかチャオコー、年配の男性ならシンチャオ・オンとかシンチャオ・バック.というように話してみてください。「あ、こいつ少しベトナム語ができるな」という反応が返ってくるはずです。市場でおばちゃんに値段をたずねる場合も、「カイナイ、バオニューティエン」だけでなく「カイナイ、バオニューティエン、チ」とつけると、少し負けてもらえるかもしれませんよ。この「文末呼称詞」と、それから同様に文末につけていろいろなニュアンスをあらわす「語気詞」、これが使えるとぐっとベトナム語らしくなりますので、ベトナム語を学習中のみなさんは練習してみてください。