日本ベトナム友好協会大阪府連合会

 

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第4話 市のなかに郡や村がある?-ベトナムの行政単位

 日本でなにか事件がおこった場所、自分が訪ねた場所などをネット記事に書こうと思ったら、正式には都道府県と市町村、場合によっては郡の名前を書きますね。ではベトナムはどうでしょう。これについて、通訳さんの言い方もネット記事の書き方も、まだバラバラですね。
 
 ベトナムの地方行政単位(「自治体」とはいわずに「地方政権」とよびます)は、3つのレベルにわかれています。いちばん上は、ご存じの「省(ティン)」が08年4月現在で59、それに「中央直属都市(タオンフォー・チュクトゥオック・チュンウオン)」がハノイ、ハイフォン、ダナン、ホーチミン市、カントーの5つありますね。日本の政令指定都市は都道府県の中にありますが、ベトナムの中央直属都市は、省と同格である点に注意してください。
 
 第2レベルには、「県(フエン)」「省属都市(タインフォー・トゥオックティン)」「市社(ティサー)」「区(クアン)」の4種類があります。県が町村部をカバーするのに対し、省属都市(省のみにある)と市社(省と中央直属都市の両方にある)はどちらも都市に相当する単位なので、日本語では区別せずに「市」と訳すことが多いです。最近「ティサー」を廃止して「タインフォー」に一本化するといううわさを聞きましたが、今のところ政府のHPを見てもそうなっていないようです。どなたかご存じの方は教えて下さい。
なおベトナムは都市化が進んでいないので、手もとの2005年の資料によると、省属都市26と市社58を合わせて全国で84市しかありません。
 
 つぎに、クアンは漢字で「郡」なのですが、中央直属都市の中の「区」をさします。ハノイ市にはホアンキエム区など9区、ホーチミン市には1~12区とタンビン区など19区がありますね。
 つぎに一番下の「基礎レベル」にも、村にあたる「社(サー)」と、独立した町にあたる「市鎮(ティチャン)」、そして市(省属都市)や区(クアン)のなかの町名にあたる「坊(フオン)」の3種類があります。以上、3レベルで8種類、すべてに役所(人民委員会)と議会(人民評議会)があります。
 これらの単位について、日本人にはわかりにくい問題が2つあります。第1は訳し方。漢字を全部そのまま書く直訳派、日本の呼び名にあわせて省を「県」、県を「郡」などと書く意訳派など、いろいろなやり方が見られます。「坊」は歴史好きなら平安京や平城京の区画を思い出せるのですが、一般にはなじみがないので、「街区」などという苦しい訳もみかけます。
 
 私の場合、基本は直訳派です。たとえば県(フエン)を「郡」と訳すと、日本とおなじく名前だけの存在だと誤解されそうなので、役所など実体があることを示すために「県」と書きます。そうするとティンは省でなければなりません。中国起源の名称であることを示すにも、そのほうが好都合です。
 ただ、クアン(郡)はそのままでは農村部と誤解されそうだし、ティサー(市社)・ティチャン(市鎮)は漢字を見てもなんだかわからないだろうから、それぞれ「区」「市」「町」と訳すことにしています。みなさんはどのよびかたが便利とお考えでしょうか?
 

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Vietnam2006 (5).JPG

 

 第2の問題は、3レベルの組み合わせの複雑さです。たとえば「区(クアン)」は省にはありませんが、「県」「市社」は省と中央直属都市の両方にあります。だからハノイ市の下には区だけでなくドンアイン県、ソクソン県などの県があります。ホーチミン市の下にもクチ県やカンゾー県がありますね。ハイフォン市の下にはドーソンという「市社」もあります。
 また、「県」のなかの人口密集地は「町(ティチャン)」、「市」の人口密集地は「坊(フオン)」になるのですが、それ以外の部分はどちらも「社」にわかれます。ということは、東京都に町や村があるのと同じで、ハノイ市のような中央直属都市(に属する「県」の下)にも、ダラット市のような省属都市の下にも、「社」があることになります。
 ややこしいですね。皆さんどうぞ、自分で図にあらわしてみてください。
 

次回予告:「ベトナムに砂漠がある?」 お楽しみに。

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