日本ベトナム友好協会大阪府連合会

 

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第2話 サイゴン(ホーチミン市)はメコンデルタにある?

 ベトナム史の教員をしていて気になる例に、「メコンデルタのサイゴン」と書いた歴史の本などがあるため、大学入試でも「メコンデルタの(イ)」として「空欄(イ)に適当な地名を記入せよ」と問うような出題が見られることです。くわしい地図をお持ちのかたは見ていただくとわかるように、実際のサイゴン(ホーチミン市)は、ドンナイ川=サイゴン川水系という、メコン川とは別の流域にあります。
 こういう誤解が生じる背景には、「メコンデルタのコメがサイゴンから〈サイゴン米〉の名で輸出された」というややこしい歴史があるのですが、ベトナムの国土はどんな地方に分かれているかをきちんと書いた本やインターネット記事が日本にはほとんどないという問題も、見すごせないような気がします。

 ベトナムは南北に細長い国で、北部と南部がある。ここまではみなさんご存じですよね。かつてアメリカの介入によって、北緯17度線で南北が分断されていたことも。では「北部」「南部」にはどちらも、2つの全然ちがった意味があることはご存じでしょうか。

 ひとつはベトナム戦争中に使われたような「全国の北半分と南半分」の意味(この意味でのベトナム語はふつうミエンバックとミエンナム)。今でもこの使い方はありますが、行政上は全国を「北部」「中部」「南部」の3つに分けるほうがふつうです。北部のベトナム王朝が南下するまで、中部の大部分はチャンパ王国の支配下にあり、南部はカンボジアの勢力圏だったことを、ご存じのかたもあるでしょう。

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 各種の統計を見るとわかるのですが、北部(漢語でバクボと呼ぶが、こちらの意味でミエンバックということもある)は、「北部山地」(または「中流・山地」)と「北部平野」(ホン川〈紅河〉デルタ)に分かれます。さらに北部山地のうち、ホン川以東を東北(南北統一前はベトバック〈越北〉)、以西を西北地方と呼びます。かつて、それぞれ自治区があったのをご記憶のかたもあるでしょう。

 中部(チュンボ、ミエンチュン)は、タインホア省からフエのあるトゥアティエン=フエ省までの「北中部」(または旧第4管区)、ダナン市からビントゥアン省までの「中部沿海」ないし「南中部」、その西の「タイグエン(中部高原)」の3地方に分けられています。

 最後に南部(ナムボ、ミエンナム)ですが、ここはホーチミン市以東の「東ひがし南部」と、「メコンデルタ」に分けられます。
ちなみに中国などと領有権を争っているホアンサー(西沙)群島とチュオンサー(南沙)群島は中部沿海地方(ホアンサーはダナン市、チュオンサーはカインホア省)に、「虎の檻」で知られたコンソン(コンダオ)島は「東南部」(バリア・ブンタウ省)に属することになっています。

次回予告:「ホーチミン市は大阪、それではハノイは東京?」 お楽しみに。

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